豊田電気管理事務所

Toyodadenki

2026/8/20 03:29

よくある質問

年次点検はなぜ停電が必要?停電時間の目安と当日の流れ・事前準備を解説

「年次点検で停電させると言われたが、本当に必要なのか?」 「停電時間はどのくらい?何を準備すればいい?」

年次点検のご案内をすると、オーナー様・ご担当者様から必ずと言っていいほどいただくご質問です。事業を営むうえで停電は避けたいもの。だからこそ、なぜ停電が必要なのか、どれくらいで終わるのか、何を準備すればスムーズなのかを、この記事でまとめてお答えします。

なお、年次点検そのものの法的な位置付け(義務の根拠)については、月次点検・年次点検の解説記事をご覧ください。

なぜ停電が必要なのか:3つの理由

理由① 電気が通ったままでは測定できない項目があるから

年次点検の中心は、絶縁抵抗測定(電気が漏れない状態かの確認)や保護継電器と遮断器の連動試験(異常時に確実に電気を遮断できるかの確認)です。これらは回路から電気を切り離さないと実施できません。健康診断でいえば「胃カメラは食事を抜かないとできない」のと同じで、代わりの方法では確認しきれない項目なのです。

理由② 通電中は触れられない箇所を確認するため

高圧の端子部の増し締め、内部の清掃、機器の細部の目視確認は、感電の危険があるため通電中には行えません。停電中にしか触れられない箇所にこそ、劣化の兆候(変色・緩み・小動物の侵入跡など)が潜んでいます。

理由③ 作業者と施設の安全のため

高圧6,600Vを扱う作業では、確実に電気を遮断し、検電・接地を行ったうえで作業することが安全の大前提です。

停電時間の目安

停電時間は設備の規模・点検内容によりますが、一般的な中小規模のキュービクルであれば2〜4時間程度が目安です。変圧器の台数が多い場合や、あわせて実施する作業(後述)がある場合は、それに応じて長くなります。

正確な時間は事前の打ち合わせでご案内します。「この時間までに必ず復電してほしい」というご要望(営業開始時刻など)から逆算して開始時刻を決めるのが通常の進め方です。なお、当日の作業進捗や天候により、停電・復電の時刻は多少前後することがあります。

当日の流れ

  1. 作業前打ち合わせ・停電操作:施設側の準備完了を確認し、電気を遮断。検電・接地で安全を確保します

  2. 測定・試験:絶縁抵抗測定、接地抵抗測定、保護継電器試験、遮断器との連動試験など

  3. 清掃・増し締め・内部確認:通電中にはできない箇所の手入れと確認

  4. 復電・動作確認:異常がないことを確認して送電を再開し、各設備の立ち上がりを確認します

  5. 結果報告:測定値と設備の状態、次回までの注意点・更新提案をご報告します

事業場側で準備しておくこと

スムーズな年次点検のために、事前にご確認・ご準備いただきたいのは次の点です。

  • パソコン・サーバー類:停電前に正常な手順でシャットダウンしてください。サーバーやネットワーク機器がある場合はUPS(無停電電源装置)のバッテリー持続時間もご確認を

  • 冷蔵・冷凍設備:2〜4時間程度の停電では、扉の開閉をしなければ庫内温度への影響は限定的なことが多いですが、温度管理がシビアな場合は事前にご相談ください

  • エレベーター:停止時間帯の利用制限の周知を。停電時に閉じ込めが起きないよう、停止前の無人確認を行います

  • テナント・従業員への周知:停電日時を事前に案内し、当日の入退館・業務調整をお願いします

  • 防犯・火災報知・自動ドアなど:停電中の挙動(バッテリー動作の有無)を管理会社・警備会社にご確認ください

初めての年次点検で不安がある場合は、チェックリストを使った事前打ち合わせから丁寧にご案内しますのでご安心ください。

※1か月前から復電後までの詳しい段取りは、年次点検前の準備ガイド(チェックリスト付き)にまとめています。

停電の負担を減らす3つの工夫

① 施設が止まっている時間帯・曜日に実施する 休日・早朝・夜間など、事業への影響が最小のタイミングで日程を組みます。当事務所では施設の稼働に合わせた柔軟な日程調整が可能です。

② 停電が必要な作業を同日にまとめる PAS交換などの設備更新工事、古い変圧器のPCB検査(採油調査)など、停電が必要な作業を年次点検と同日に実施すれば、停電回数を年1回に集約できます。実際に竣工検査・PAS交換・PCB検査を同日に行った実施事例もご覧ください。

③ 設備条件によっては停電点検の間隔を延ばせる制度も 設備構成が国の信頼性要件を満たし、代替の無停電点検を適切に行う場合、停電を伴う点検を3年に1回にできる制度があります。適用できるかは設備によりますので、ご相談ください。

よくある質問

Q. 停電なしで年次点検はできませんか? 測定項目の性質上、停電を完全になくすことはできません。ただし上記③のとおり、条件を満たせば停電点検の頻度を減らせる場合があります。

Q. 停電時間を短くしてもらえますか? 設備の状態が良好で、事前準備が整っているほど作業はスムーズです。ご要望の復電時刻から逆算した計画を立てますので、制約があれば遠慮なくお知らせください。

Q. 当日は立ち会いが必要ですか? 停電・復電のタイミングで施設側のご担当者様にご確認いただけると安心です。終日の立ち会いは必須ではありません。

おわりに

年次点検の停電は、設備の安全を確認するために避けて通れないものですが、計画次第で負担は大きく減らせます。「停電が嫌だから点検を先送りする」ことが、突発停電や波及事故という最悪の形で返ってくるのが電気設備です。年1回の計画停電で、事業を止めない1年をつくりましょう。

当事務所は、福岡市エリア・筑豊エリア(飯塚市・田川市・直方市など)を拠点に、福岡県内全域に対応しています。年次点検の日程・段取りのご相談は、豊田電気管理事務所までお気軽にお問い合わせください。

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