豊田電気管理事務所

Toyodadenki

2026/8/20 03:28

管理ノウハウ

年次点検(停電)前の準備ガイド|1か月前から当日までのチェックリスト付き

年次点検の停電日が決まると、施設のご担当者様が気になるのは「何を・いつまでに・どの順番で準備すればいいのか」です。

準備といっても難しいことはなく、やることを時系列に並べて、ひとつずつ潰していくだけです。この記事では、当事務所が実際の点検前にご案内している内容を、1か月前から復電後まで時系列のチェックリストにまとめました。このページを印刷またはブックマークして、そのままお使いください。

なお、「そもそもなぜ停電が必要なのか」「停電時間はどのくらいか」については、年次点検の停電解説記事をご覧ください。

【1か月前まで】日程と影響範囲を固める

  • 点検日時を確定する(休日・早朝など、事業への影響が小さい日時で調整)

  • 予備日を決めておく(屋外・高所の作業を含むため、荒天時は延期になることがあります。あらかじめ予備日を設定しておくとスケジュールが崩れません)

  • 復電希望時刻を電気管理技術者に伝える(営業開始時刻などの制約から逆算して計画します)

  • 停電の影響範囲を洗い出す:サーバー・ネットワーク機器、冷蔵・冷凍設備、エアコン、エレベーター、生産設備、防犯・火災報知設備(停電中はバッテリーで一定時間のみ動作)、自動ドア・電動シャッター、電気錠・オートロック、水槽・生簀(エアポンプ停止の影響)、水道(受水槽・ポンプ方式の建物は断水し、トイレが使えなくなることがあります)

  • テナント・関係部署へ第一報を入れる(テナントビルの場合は書面での通知が確実です)

  • 同日にまとめたい停電作業がないか検討する(PAS交換などの設備更新、古い変圧器のPCB検査など。停電回数を年1回に集約できます)

この段階で影響範囲に不明点があれば、遠慮なく電気管理技術者にご相談ください。図面や設備リストを見ながら一緒に洗い出しできます。

【1週間前まで】関係者への周知と個別対応の確認

  • テナント・従業員へ正式に周知する(日時・停電範囲・注意事項を掲示や回覧で)

  • 警備会社へ連絡する(機械警備は停電で発報することがあります。事前連絡で誤出動を防げます)

  • エレベーター保守会社へ連絡する(停電時の対応・復電後の点検要否を確認)

  • サーバー・電話・ネットワークの停止手順を確認する(情報システム担当者・保守業者に停止と再起動の手順、UPSのバッテリー持続時間を確認)

  • 温度管理がシビアな冷蔵・冷凍品の対応を決める(停電時間中の在庫の扱い。数時間の停電なら扉を開けなければ影響が限定的なことが多いですが、医薬品などは事前にルールを確認)

  • 生産設備・機械の停止手順を確認する(急な電源断でダメージを受ける設備がないか)

【前日】機器の状態を整える

  • 冷蔵庫・冷凍庫の扉の開閉を最小限にする準備(保冷剤の準備、詰めすぎの解消)

  • パソコンのデータ保存を全員に呼びかける

  • タイマー設定されている機器を確認する(空調・照明・給湯などのスケジュール運転は復電後に再設定が必要な場合があります。また、作業の進捗や天候により停電・復電の時刻は多少前後することがあるため、復電時刻ちょうどを前提にした電源ON/OFFのタイマー設定は避けてください

  • 作業車両の駐車スペース・入構経路を確保する(点検には作業車が入構します。駐車場の一部開放や門・シャッターの開錠手配をお願いします)

  • 停電中に使う照明(懐中電灯など)を用意する(無窓の部屋・階段がある施設)

  • 当日の連絡体制を確認する(立ち会い者の氏名・連絡先を電気管理技術者と共有)

【当日・停電前】最終確認

  • サーバー・パソコン類を正常な手順でシャットダウンする

  • エアコン・給湯器・OA機器の電源を切る

  • 電気錠・オートロックの停電時の開閉方法を確認しておく(停電中に締め出されないように)

  • エレベーターを1階に停止させ、無人を確認する

  • 生産設備・精密機器の電源を個別に切る(復電時の突入電流から機器を守るため、可能なものはコンセント・ブレーカーを切っておくと安心です)

  • 冷蔵・冷凍庫の扉に「開けない」表示をする

  • 館内に人が残っていないか(残る場合は停電を承知しているか)確認する

なお、シャットダウンせずに電源が落ちたことによるデータ消失や機器故障は、一般に点検作業側では補償されません。パソコン・サーバー・精密機器の電源断は、事業場側で確実に行っておくことが大切です。

ここまで済んだら、あとは電気管理技術者に引き継ぐだけです。停電操作・検電・接地などの安全措置はすべて作業側で行います。

【復電後】戻し忘れチェック

復電したら終わり、ではありません。トラブルの多くは実は復電後の「戻し忘れ」で起きます。

  • 各フロア・各室の照明、コンセントが生きているか確認する(分電盤のブレーカーの入れ忘れがないか)

  • サーバー・ネットワーク機器を手順どおり再起動し、業務システムの動作を確認する

  • 冷蔵・冷凍設備の運転と庫内温度を確認する

  • エレベーターの復旧を確認する(保守会社の復電後点検が必要な機種もあります)

  • タイマー・時計類を再設定する(空調スケジュール、電気時計、給湯器など)

  • 警備会社へ復電の連絡をする(警備セットの復旧確認)

  • 生産設備を順番に立ち上げ、異常がないか確認する

よくある質問

Q. 準備がちゃんとできているか不安です。 このチェックリストをベースに、事前打ち合わせで施設の設備に合わせて一緒に確認します。初めての年次点検でもご安心ください。

Q. 全部の項目が必要ですか? 施設によります。サーバーのない店舗、テナントのいない自社工場など、該当しない項目は飛ばして構いません。「自分の施設ではどれが該当するか」を洗い出すのが1か月前のステップです。

Q. 停電中に仮設電源(発電機)を用意してもらえますか? 点検作業側で発電機による電気の供給は行わないのが一般的です。停電中も止められない機器がある場合は、事業場側でのご手配が必要になります。対応方法はご相談ください。

Q. 停電中、施設内にいてもいいですか? 照明が消えるため、安全上は退出いただくのが基本です。残られる場合は事前にお知らせください。

おわりに

年次点検の準備は、「影響範囲の洗い出し」「関係者への周知」「機器の止め方・戻し方」の3つに尽きます。一度この流れで実施すれば、翌年からは同じ手順の繰り返しなので、記録を残しておくことをおすすめします。

当事務所は、福岡市エリア・筑豊エリア(飯塚市・田川市・直方市など)を拠点に、福岡県内全域に対応しています。年次点検の日程調整・事前準備のご相談は、豊田電気管理事務所までお気軽にお問い合わせください。チェックリストを使った事前打ち合わせから丁寧にご案内します。

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