豊田電気管理事務所

Toyodadenki

2026/7/1 11:27

法令・制度

低濃度PCBの処分期限は2027年3月31日|過ぎたらどうなる?対象機器の見分け方を解説

「うちの古い変圧器、PCBは大丈夫だろうか」 「2027年が期限と聞いたが、過ぎたらどうなるのか」

低濃度PCB廃棄物の処分期限が近づき、施設オーナー様や管理ご担当者様からのご相談が増えています。

結論から言うと、低濃度PCB廃棄物の処分期限は2027年(令和9年)3月31日です。この期限はPCB特別措置法で定められており、延長される見通しはありません。そして重要なのは、「自分の設備にPCBが含まれているかどうか」は、調査しなければわからないという点です。

この記事では、期限を過ぎた場合に何が起きるのか、対象になり得る機器の見分け方、そして今やるべきことを解説します。

低濃度PCBとは

PCB(ポリ塩化ビフェニル)は、かつて変圧器やコンデンサーの絶縁油などに広く使われていた化学物質で、有害性が判明したため現在は製造が禁止されています。

PCB廃棄物は濃度によって2つに分類されます。

区分

PCB濃度

処分期限

高濃度PCB廃棄物

5,000mg/kg超

すでに終了

低濃度PCB廃棄物

0.5mg/kg超〜5,000mg/kg以下

2027年3月31日

注意したいのは、低濃度PCBの多くが「PCBを使っていないはずの機器」から見つかることです。1990年頃まで流通していた再生絶縁油などを通じて、意図せず微量のPCBに汚染された変圧器・コンデンサーが今も現役で稼働しています。見た目や銘板だけでは判別できず、絶縁油を採取して分析しないと白黒がつきません

期限を過ぎるとどうなるか

期限超過のリスクは、段階を追って現実になります。

① 法令違反の状態になり、改善命令の対象になる 処分期限を過ぎて低濃度PCB廃棄物を保有していると、PCB特措法違反の状態となり、環境大臣または都道府県知事から期限を定めた改善命令(行政処分)を受ける可能性があります。

② 改善命令に違反すると罰則 改善命令に従わなかった場合、3年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金、またはその併科が科される可能性があります(PCB特措法の罰則規定)。「期限を過ぎたら即罰金」ではなく、改善命令を経た段階的なプロセスですが、命令を受けた時点で企業名への影響は避けられません。

③ そもそも処分できなくなるおそれ 高濃度PCBはすでに期限が終了し、事実上処分できなくなりました。低濃度PCBも同じ道をたどる可能性が高く、期限後は処理の受け皿がなくなり、有害物を半永久的に自社で保管し続けるリスクがあります。

④ 期限直前は「処理したくてもできない」 処理できる施設(環境大臣認定の無害化処理認定施設等)と収集運搬業者は限られています。期限が近づくほど予約が埋まり、分析から搬入までの期間も延びます。「間に合わなかった」を避けるには、逆算して今動く必要があります。

⑤ 解体・売却が止まる 建物の解体や不動産売買の際には、PCB含有機器の有無の確認が求められます。未調査のままだと工事や取引がその時点で止まり、想定外の期間とコストが発生します。

対象になり得る機器の見分け方

まずは製造年の確認が出発点です。国の情報サイトでは、微量PCB汚染の可能性がある電気機器の製造時期として以下が示されています。

  • 絶縁油の交換が可能な変圧器など1993年(平成5年)以前に製造されたもの

  • 絶縁油封じ切りのコンデンサー1990年(平成2年)以前に製造されたもの

対象は変圧器・コンデンサーだけではありません。電気溶接機、X線照射装置、昇降機、分電盤、モーターに付属・内蔵されたコンデンサーなども微量PCB汚染の可能性があります。

該当しそうな機器があれば、銘板から製造年・型式を控えたうえで、絶縁油を採取してPCB濃度を分析します。分析の結果、0.5mg/kg以下であれば通常の産業廃棄物として扱え、超えていれば低濃度PCB廃棄物として期限内の処分が必要になります。

なお、通電中の変圧器等に近づいての確認・採油は感電の危険があるため、絶対にご自身では行わないでください。点検の停電時などに合わせて、電気管理技術者が安全に採油するのが基本です。

判明した場合の手続きの流れ

分析の結果、低濃度PCBに該当した場合の大まかな流れは次のとおりです。

  1. 行政への届出:PCB廃棄物の保管等の届出を都道府県等に行います

  2. 適正な保管:処分までの間、漏えい防止など基準に沿った保管が必要です

  3. 処分委託:環境大臣認定の無害化処理認定施設等と処分委託契約を結びます(収集運搬も許可業者に限られます)

  4. 処分完了・報告:期限(2027年3月31日)までに処分を完了します

使用中の機器についても、期限までの計画的な廃止・処分が国から求められています。「まだ使えるから」と後回しにすると、更新工事の設計・停電調整・処分予約をすべて期限までに終える必要があり、時間の余裕がなくなっていきます。

なお、中小企業・個人事業主向けには分析費・処理費の一部を支援する国の助成制度が設けられてきました。実施状況や受付期間は年度によって変わるため、検討の際は最新情報をご確認ください(当事務所でもご案内できます)。

今やるべきことは「調査」

ここまでの内容をまとめると、優先すべき行動はシンプルです。

  • 1993年以前製造の変圧器、1990年以前製造のコンデンサーが施設にないか確認する

  • 該当がありそうなら、点検・停電のタイミングに合わせて採油・分析を行う

  • 白であれば安心材料に、該当であれば期限から逆算した処分計画を立てる

当事務所では、日常の保安管理や竣工検査とあわせたPCB検査(含有調査)に対応しており、飯塚市の事業所様で変圧器・コンデンサーの採油調査を実施した事例もあります。実際の作業の様子は実施事例の記事をご覧ください。

当事務所は、福岡市エリア・筑豊エリア(飯塚市・田川市・直方市など)を拠点に、福岡県内全域に対応しています。古い変圧器・コンデンサーのPCB検査をご検討の際は、豊田電気管理事務所までお気軽にお問い合わせください。採油から分析機関への手配、判明後の手続きのご相談まで対応いたします。

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